ディープインパクト
2005_07_04
衝突前のテンペル彗星
 
 2005年1月13日に打ち上げられた彗星探査機「ディープインパクト」の衝突機が,7月4日午後2時50分(日本時)見事にテンペル彗星(9P/Tempel)への衝突を成功させた。NASAのディープインパクト計画は,目標天体であるテンペル彗星の中心核にインパクター(衝突機)を衝突させ,表面にできるクレーターや,内部から噴出する物質を観測する計画である。
 衝突の瞬間に観測の目を向けていた望遠鏡の一つである,ハッブル宇宙望遠鏡による可視光画像も公開された。画像の撮影は、ハッブル宇宙望遠鏡に搭載された高解像度の高度探査カメラ(ACS)によるもの。
 1枚目は、衝突一分前のテンペル彗星の画像だ。ハッブル宇宙望遠鏡をもってしても,彗星の小さな核(幅14キロメートル、長さ4キロメートル)を分離することはできない。一方,2枚目の衝突10分後の写真では,彗星は4倍もの明るさになっている。このとき彗星を取り巻くちりとガスの雲が大きく広がり,より明るく輝いていると考えられる。衝突62分後の3枚目の画像では、噴出物が扇状に広がっている姿が見事だ。ちりとガスは時速1,800Km,旅客機の2倍ものスピードで広がっている。扇形の半径は,1,800Km。
 
Hubble